「プレナスの株価はどんな感じ?今後の業績はどうなりそう?」
「株主優待はお得なの?」
って人に向けて「プレナス(9945)」の株価分析で知るべきことを一通り書いていきます。
後半かなり厳しい書き様になっていますが、悪意はありません。
目次
プレナスの株価情報
*出典 やよい軒 公式サイト
プレナスは定食屋の「やよい軒」・お弁当屋の「ほっともっと」などを運営する会社です。
最近は業績が低迷傾向にあります。
とりあえずまず抑えたほうがいい大枠の部分を先に公開しちゃいます。
業績詳細
- 業績:売上1,495億円、営業利益3.4億円
- 株価:1,815円前後
- 最低購入金額:181,500円前後
- 株主優待:お買い物券(1.37%程度)
- 配当利回り:3.5%
- ROE:-5.12%
- PER:ー
- PBR:1.29倍
それではここから各項目について詳しく説明していきますね。
プレナスの株主優待と配当金:お買い物券
出典 プレナスIR情報
プレナスの株主優待と配当金の情報は以下のとおりです。
内容 | |
単元株数 | 100株 |
株価 | 1,815円 |
権利確定月 | 2月 |
優待回数 | 年1回 |
優待内容 | お買い物優待券(2,500円分〜) |
条件 | 株式継続保有期間1年以上 |
優待利回り | 1.37%程度 |
配当利回り | 3.5%(予想) |
詳しく説明していきますね。
✓株主優待
ほっともっと、やよい軒、アゲルヤ、MKレストランのいずれかの飲食や商品の購入に使用できる500円券が5枚〜もらえます。
使用できるメニューに制限はありません(お釣りは出ません)
ただし配布に条件があり、株式継続保有期間が1年以上となっています。
保有株式数によっても枚数が変わります。
保有株式 | 優待内容 | 相当金額 |
100株 | 5枚 | 2,500円 |
1,000株 | 10枚 | 5,000円 |
株主優待目的であれば100株のほうがコスパがいいです。
これをお伝えしている時点では、100株だと還元率が1.37%なのに対して、1,000株だと0.27%になるからです。
発送は5月下旬となっています。
✓配当金
配当については次期決算についてはまだ未発表ですが、おそらく前年度と同内容を継続する見込みです。
プレナスの決算発表によるとこちらのとおりです。
2021年2月期の配当の基本方針は変更しない予定ではあるものの、現時点では連結業績の見通しがつかないため非開示。連結業績の見通しがついた時点で速やかに開示する予定。
過去の配当金の推移と今後の予測を立ててみました。
✓配当利回り
配当利回りは3%を超えそうで多いほうといえますね。
✓1株あたりの配当金
1株配当は時々増配しつつも、基本は横ばいが続いています。
✓配当性向
かなり無理を配当を出しているかがわかります。
正直あまり良い状態とはいえません。
配当性向とは、会社が事業によって得た利益をどのくらい株主に還元しているかを表す指標です。
チャート!株価はほぼ横ばい
続いて株価をみていきましょう。
✓長期チャート(2002年〜)
2007年までは大幅に上昇していましたが、その後2008年のリーマンショックで一気に下落。
その後に2015年と2017年に大きな山がありました。
最近は基本横ばいを継続しながら、やや下落基調という感じです。
20年ほどの間で最高値は4,250円付近、最安値は1,200円付近でした。
✓中期チャート(2015年〜)
プレナスの過去5年間の株価推移です。
1,500円〜2,500円の間で推移しています。
✓短期チャート
プレナスの1年間の株価チャート。
2019年後半にかけて徐々に上昇を続けていましたが、2020年3月に大幅下落、その後は半値ほど持ち直してきています。
✓日経平均と比較した長期チャート
日経平均株価と比べたロングチャートです。
ともに上昇率を表したもので、
- 日経平均は+154%
- プレナスは-43%
と日経平均に対して下回っています。
あと両者の連動性については、形としては似ているのである程度は相関しているといっていいでしょう。
*実数ではなく上限比率で比較したチャートです。
プレナスの業績は利益が伸び悩んでいる
ここからはプレナスの業績を10年〜20年以上さかのぼってくわしく見ていきます。
*2020年の業績は決算月である2月時点でのものです
✓売上高
2020年2月期の決算が2020年4月に発表されました。
その際に2021年2月期の決算予想は新コロの影響で予想ができないということで、保留となっています。
さて、確定分の2020年2月期の業績をみてみると、1,495億円となり前年をやや下回る結果となりました。
10年20年スパンで見ると上昇していますが、ここ7年ほどはほぼ横ばい状態が続いていますね。
✓営業利益
売上に対して営業利益は非常に厳しい状況が続いています。
長期で見ると2009年から一気に業績が悪化し、そのまましばらく横ばい。
直近の2019年、2020年になるとさらに悪化しています。
この調子だとコロチャンの影響で来期は再度赤字に転じるのはほぼ間違いなさそうです。
売上と利益を表で見たい人もいると思ったので、別途まとめました。
純利益は2年連続マイナスと非常に苦しい状態が続いています。
✓営業利益率(売上高営業利益率)
利益の減少に応じて利益率もどんどん下げています。
経済産業省によると、飲食サービス業の営業利益率の平均は3.7%とそもそもあまり高い方ではありません。
【補足】営業利益率が高いほどライバルに対して優位に事業をこなせていることを表します
✓ROE
利益が出ていないのでROEの数字も悪いです。右肩下がりですね。
【補足】ROEとは「企業が私たちが投資した資金を使ってどれほど効率的に利益を生んでいるか」を表します。10%以上が優良かどうかの基準と言われます
✓EPS
2019年からこちらも非常に厳しいです。なんとか再起を計りたいですね。
【補足】EPSは「1株あたりの純利益」。投資家の資金を使ってどれだけ高い効率で利益を出しているかを表します。年々増えているのが理想とされています。
✓BPS
BPSはここ2年減り続けていますが、他の数値に比べるとだいぶマシな方です。
ただしこのまま下落が続くと危険といえます。
【補足】BPS(1株あたりの純資産)は企業の安全性を示す指標
✓フリーキャッシュフロー
ここ数年はマイナスが目立ちますね。
あまり続くようだと心配です。
【補足】フリーキャッシュフローとは手元に残った自由に使えるお金。営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを引いた数字。
✓自己資本比率(%)
40~60%あれば優良企業といわれ、プレナスの自己資本比率は63.5%と十分あります。
事業はやよい軒で成り立っている
*出典 やよい軒公式サイトメニュー
まずは創業などをざっくり解説します。
会社概要
IR情報をベースに会社概要もまとめておきます。
内容 | |
創業 | 1976年前身となる(有)太陽事務機を設立 |
本社 | 福岡県福岡市博多区上牟田1丁目19番21号 |
社長 | 塩井辰男 |
従業員 | 1,282名 (連結6,456名) |
平均年齢 | 40.21歳 |
平均勤続年数 | 11.61年 |
平均年収 | 553万円 |
上場遍歴 | 2002年東証1部上場 |
*2019年決算月時点
「ほっともっと」や「やよい軒」が誕生するまでの流れはこのような感じです↓
1987年6月、持ち帰り弁当チェーン「ほっかほっか亭」を九州・山口地区で展開していた(株)ほっかほっか亭九州地 域本部を吸収合併したことを機に外食事業へ参入し、定食チェーン「めしや丼(現やよい軒)」の展開なども行い、 その後、東日本地区で「ほっかほっか亭」を展開していた(株)ほっかほっか亭及び(株)ライズを吸収合併するなどして業 容の拡大を図ってまいりました。持ち帰り弁当事業につきましては、2008年5月15日より、従来の「ほっかほっか 亭」ブランドに替え、新たに創設したブランド「ほっともっと」で事業を展開しております。
出典 2019年 プレナス有価証券報告書より
事業別の売上と店舗数
もう詳しい説明は不要かもしれませんが、プレナスは3つの店舗業態で運営している会社です。
- ほっともっと:お弁当
- やよい軒:定食屋
- MKレストラン:タイ風のしゃぶしゃぶ屋
でもみなさんこの3つのどれが主力ビジネスで比率はどれくらいか知っていますか?
知らない人のほうが多いと思うので、まずは売上比率からみていきます。
✓事業別の売上・利益
ほとんどの売上がほっともっとから来ていることがわかります。
しかし営業利益はどうでしょう。やよい軒が引っ張っていますね。
MKレストランや海外事業に至ってはマイナスという状況です。
一応比率もお見せします。
事業比率という観点では、こちらのほうが見やすいと思います。
✓事業ごとの営業利益率
先ほどの決算資料を元に独自で事業ごとの営業利益率を出してみました。
利益率が全体的に低いですが、その中でもやよい軒は比較的頑張っているほうといえそうです。
✓店舗数と比率
国内の店舗数は圧倒的にほっともっとが多いです。
海外はやよい軒が多いですね。
海外比率で見ると、やよい軒の海外比率が多いです。
ちなみにほっともっとの海外店舗は韓国が15店舗とほとんどを占め、あとは中国、オーストラリアです。
やよい軒はタイが187店舗と大多数で、あとは台湾が10数点舗、残りはシンガポールなどの東南アジアやアメリカで数店舗程度となっています。
整理すると、利益のほとんどを占めるのが国内のやよい軒だということがわかります。
プレナスの割安度は?買い時?
データ面、市場面の両方から今後の株価予想をしていきます。
✓PERはノーカウント
以下が過去10年間のPERの推移です。
2020年現在のプレナスのPERは利益が出ていないので測定不可です。
私だったら、PERがマイナスの企業に手を付けることはあまりしません。
ちなみにJPXによると、2020年3月時点の東証1部における食料品の平均PERは20.7倍、小売業だと22.1倍です。
業者問わずの全社(東証1部)は14.5倍。
【補足】PERは低いほど割安であることを示します。一般的には15倍以下が割安と言われていますが、会社によって違うと思っているのでこのように推移や業種ごとにみることをおすすめします
✓PBRはほぼ横ばい
こちら過去のPBRデータです。
対して、今まとめている段階でのPBRは1.29倍。
過去の推移から考えると安くも高くもない感じです。
ちなみにJPXによると2020年3月時点で東証1部における食料品の平均PBRは1.3倍、小売業は1.5倍です。
業者問わずの全社(東証1部)は1倍。
【補足】PBRは低いほど割安であることを示します。一般的には1倍以下が割安と言われていますが、優良企業で1を割ることはほぼないのと、会社によって割安を表す数字は違うと思っているのでこのように推移と業種の平均を見ています。
今後のプレナス株の予想
結論からいうと今後はなかなか厳しいと思います。
今後の動向を短期と長期に分けて説明していきます。
✓短期での戦い:苦戦を強いられる
先ほどお伝えしたとおり、利益のほとんどが国内のやよい軒から来ていました。
しかし直近の新コロのせいで、来店客数が減っていくと予想されます。
稼ぎ頭が低迷してしまうことになるので、短期だとかなり苦戦するでしょう。
参考までに2020年3月の対前年同月比をみてみましょう。
*出典:プレナス月次速報
ざっくり整理すると
- ほっともっと:-6%
- やよい軒:-18%
- MKレストラン:-19%
となっており、かなり厳しい状況です。
さらに4月はより集客が減ると予想されます。
✓長期戦略:店舗ごとの売上をいかに上げていくかが勝負どころ
長期ではやりようによってはこのまま衰退していくことも、大幅にV字回復することもありえると思っています。
いまのうちからプレナス側は色々やっているようです。
具体的には以下の通り。
- デリバリーの拡充
- キャッシュレス導入
- おまとめ注文
- 新業態の店舗の拡大
1つずつ説明します。
①デリバリーの拡充
出典 プレナス2020年2月期決算資料
ほっともっとが出前館、UberEatsの活用を始めています。
ここはそれなりの需要が見込めるでしょう。
個人的にやったらいいと思うのは、都心部でデリバリー専門の小さな店舗を作ったらいいと思います。
店舗コストも人件費も抑えられますし。
最近は他社でも導入してうまくいっているところがありますよね(すでにやっていたらすみません)
あとやよい軒もこれやったほうがいいのでは?(こちらもすでにやっていたらすみません)
②キャッシュレス導入
出典 プレナス2020年2月期決算資料
最近ようやく動き出したみたいです。
とりあえずポイントとかはいったんどうでもいいので、普通に電子マネーとか使えるようにさっさとしてほしいです。
最近の小売店はユーザーファーストを考えている企業がうまくいっているので、即導入してほしいですね。
キャッシュレスを導入したほうが、客単価も上がりますし。
③おまとめ注文
出典 プレナス2020年2月期決算資料
これは家族パーティとかオフィスの一斉注文とかになるんでしょうか。
中食や内食が多くなるはずなので、ある程度効果はあるかもしれません。
個人的には客側としてあまり使いたいと思わないので、なんかほっともっとならではの強みがほしいですね。
④新業態の店舗の拡大
出典 プレナス2020年2月期決算資料
ほっともっとグリルという、ほっともっとのプレミアム路線な店舗を何店舗か始めているみたいです。
調べてみると、24店舗でほとんどが東京都の住宅地。価格は600〜800円程度のちょっとお高めの商品で、オーブンなどでのできたて感をアピールしているみたいですね。
評判を調べたら味はけっこう高評価みたいですが、あまりうまくいってはいないみたい。
多分うまくいっていない理由はターゲットがブレているからじゃないでしょうか。
高めのお弁当を出すなら、お金を持っている人、しかも健康を気にする人な気がします。
私ならOLがいっぱいいそうな東京都心に超小型店舗またはデリバリー専門で出します。トラックでの移動販売もいいかも。
あと単価が700円とかなら何かメリットがないと買いません。食材を国産にするとか、野菜を多くするとかすれば高くてもお金を持っている層なら買うと思うんですよね。
一方で実際に提供している商品は男性が好きそうな高カロリー商材&住宅地への出店です。頑張ってはほしいですけど難しそうです(偉そうにすみません)
あとはこんなこともやっているようです。
出典 プレナス2020年2月期決算資料
✓私が考える戦略方針と個人的な要望
①ほっともっと
*出典 ほっともっと公式サイト
まず「ほっともっと」に関して
もう、何年も前から思うのが、「オリジン弁当」と比べると明らかに客数が少ないですよね
私の要望はこちら。
- できたてを提供してほしい。オリジン弁当は逆にそれがある
- 野菜を国産にしてほしい。オリジン弁当はこれがないので差別化できる
- 容器が食をそそらない。もっとお洒落にできないか
なぜこんな事をいうかというと、ほっともっとが低迷している理由の1つは、他にお客さんを取られていると思うからです。
スーパー、コンビニの弁当のレベルがあがったり、ファーストフード業界がお得なランチを出したり、デリバリーが発達したり競争は激化しています。
そんな中であえて「ほっともっとに行きたい!」と思う理由を作らないといけません。
そうするとコンビニとかスーパーにないものを提供しないといけないと思うんですよね。たとえば、先ほどお伝えした出来たてとか、国産を使ってるとか、野菜がいっぱい入ってて体に良さそうとかでしょう。
安さと速さで他社と勝負するのは正直無理な気がします。
だから他で食べられないお弁当を提供してほしいですね。いまは明らかに出来合いだったり、レンチン感すごい伝わってくるんですよね。
オリジンみたいに、リアルに調理してる感じを出せないんでしょうか。(もし作ってたらごめんなさい、伝わってきていません。この辺りは人材の確保とかの問題があるので、簡単ではないのはわかっていますが。)
②やよい軒
*出典 やよい軒公式サイト
次にやよい軒について
やよい軒は好きなのでたまにいきます。いつも結構混んでますね。
個人的にやってほしいことは4つです。
- カウンターに仕切りを付けてほしい
- おしぼりを出してほしい
- 食器がチープなのでもっとこだわってほしい
- やよい軒でのテイクアウト
です。
カウンター席、横の間隔が狭すぎるんですよね。
隣に気を使うし出づらい、座りづらいので、椅子は可動式ではなく固定式にしてほしいです。
その他は記載したとおりです。
③全業態で改善してほしいこと
1番嫌なのが「現金しか使えないこと」
これが1番困ります(´>///<`)
④MKレストラン
コロチャンショックが来る前から大幅に赤字出していたので、もう思いきって撤退したほうがいいのかなと思います。
そういえばもうほっともっとで気になることがもう1つありました。出店の場所です。アクセス悪いところ多くないですか?確かに土地代が安いですけど、オリジンに比べると駅から通りお店が多い気が。駐車場とか店舗サイズは削っていいんで、駅近にしたほうがいいじゃないですかね。
という感じで超スーパー偉そうな感じで、大変失礼ながらも色々あげてきました(期待しているがゆえです)
「こんな小さい違いじゃ何も変わらないでしょ?」と思う人もいると思います。
でも意外とこういった小さな差が大きな違いを生むことがあるんじゃないでしょうか。
さいごに
この記事ではプレナスの株価や優待の分析をしてきました(o´・ω-)b
プレナスさんが提供している商品は個人的には好きなほうなんですけど。
今回の内容を整理すると以下になります。
評価 | 概要 | |
営業利益 | ✗ | 赤字から復帰も来期は厳しい |
利益率 | ✗ | 0.23% |
ROE | ✗ | マイナス |
EPS | ✗ | マイナス |
フリーCF | ✗ | マイナスが多い |
株主優待 | △ | 1年継続の条件がなければまあまあ |
配当金 | ◯ | 十分な割合 |
PER、PBR | △ | PERは測定不能、PBRは並 |
現状の株価は1,815円。単元は100株からしか買えないので、最低購入金額は181,500円です。
やや高めの金額ですね。100株単位で買えるぞって方は以下の証券会社がおすすめです。
これは本音で書いているので、とりあえず上記の2つにしておけば後悔はしないでしょう。
詳しい理由は【手数料が安い順】日本株の売買でおすすめな証券会社でも書いてます。
「資金が足りない」「100株はリスクがあるから1株から少額で買ってみたい」という方は1株から買えるSBIネオモバイル証券を使うのもありです。
他の端株サイトよりお得に売買可能です。優待はつきませんが、配当金はしっかりもらえます。余ったTポイントも使えるのもありがたいです。
皆さんの資産が無事増えますように。