- 「ドコモ株が長期的にどんな業績を出しているのか知りたい」
- 「チャートや今後の株価・配当利回りはどうなる?」
そんな方向けです。
ドコモ株といえば昔から高配当の優良企業と言われ続けています。
日本人なら誰でも知っている企業ですよね。
実は私も昔投資していたことがある思い出深い銘柄の1つです(。-∀-)
ドコモの株価はチャートを見ると安定している
国内の株式の中ではドコモは比較的安定した株価を見せてくれる企業です。
理由は後半でも詳しく説明しますが、高利益率かつ安定したキャッシュフローがあるから。
チャートを見ると値動きが一見激しく見えますが、これはむしろ控えめな方です。
✓月足(ロングチャート)
✓週足
✓日足
直近のショックや2008年〜2009年に起こったリーマンショックのときでもあまり影響を受けていません。
ただ「これだけ見てもいまいちわからない」という人もいると思います。
そこで以下に【日経平均株価と比較したチャート】を作りました。
✓【日経比較】月足チャート
✓【日経比較】週足チャート
✓【日経比較】日足チャート
日経平均株価は年度によってグワングワン落ちているのですが、ドコモの株価は比較的緩やかに推移しています。
先ほど比較的安定した動きをするといった理由がなんとなくわかったら嬉しいです( ˶ˆ꒳ˆ˵ )
ドコモの売上・営業利益・配当利回り
業績をけっこう過去までさかのぼって見てみることにします。
株に投資する上で実績はなるべく長期でみたほうがいいですからね(/ω\*)
✓売上・営業利益
ドコモの売上や営業利益をまとめたものが下のグラフです。
約20年弱の推移を作ってみましたが、ほぼずっと横ばいですね。
ここまで業績が変わらない企業というのもかなり珍しいかもしれません。
実は「スマホ需要でもっと伸びているかな」と調べる前は思っていたのですが、そうでもないようです。
表でもみたい方は以下もどうぞ。
数字まとめるだけもけっこう体力消耗した疑惑。
でもみんなの参考になればと思って頑張りました(なんの主張?(◦ˉ ˘ ˉ◦)笑)
事業別の売上と営業利益はこちらです。
*【引用】NTTドコモ
さすがに力尽きたので引用も使いました。
ややこしいですが、営業収益は売上のことです。
大半が通信事業、あとはスマートライフ事業、その他事業となっています。このあたりは後ほど解説します。
✓ROE
ROEとは「企業が私たちが投資した資金を使ってどれほど効率的に利益を生んでいるか」を表す数値になります。
10%を超えると良い企業だという人が多いです。
ドコモは10%をなんとか超えています。
✓配当利回り
さて、ドコモの配当利回りは年々上昇しています。
*【引用】NTTドコモ
上記のグラフは1株あたりの配当金を表しています。
現状は110円、会社予想だと120円です。
株主への還元にはかなり力を入れているといっていいでしょう。
毎年のように過去最高の更新しています。まるで米国企業のような配当ですね。
配当性向もみていきます。
これが高いほど会社の利益を株主に多く還元していることになります。
毎年これくらいを維持しているのは、日本ではかなり良い水準と言っていいでしょう。
で、気になるのはいったいいくら配当金をもらえるか、つまり配当利回りはどれくらいになるかではないでしょうか。
ズバリ答えます!今の株価3,281ということを考えると、だいたい配当は3.6%程度になる見込みです!
配当金はいつもらえる?
NTTドコモの権利確定日は3月末と9月末の年2回です。このときに株を持っていれば配当金が入りますよ〜!
✓株主優待
ドコモは株主優待を設定していません。優待目当ての方には残念です:(´◦ω◦`):
すべて配当金に回している感じがします。現金が欲しい人には嬉しいですね。
✓フリーキャッシュフロー
こちらも悪くないですね。
フリーキャッシュフローが多い会社ほど経営状態が良好といえます。
つまづきポイント
- フリーキャッシュフロー:
営業キャッシュフロー」ー「投資キャッシュフロー」 - 営業キャッシュフロー:本業の利益を表す
- 投資キャッシュフロー:事業投資を表す
とりあえずよくわからんかったという方は、フリーキャッシュフローがプラスになってて多ければ問題なしと考えてオッケーです。
ドコモの歴史と事業内容を分析
まず基本的な情報はこのとおり
- 本社:東京都千代田区永田町
- 営業開始日:1992年7月1日
- 社員数:7,884名(グループ全体26,564名)
元々は日本電信電話(株)つまりNTTの出資によりエヌ・ティ・ティ・移動通信企画(株)という名前で生まれました。
その後エヌ・ティ・ティ・ドコモ→NTTドコモと名前を変えて今に至ります。
エヌ・ティ・ティって「・」が多すぎません?(←どうでもいいᐢ˙꒳˙ᐢ)
やってきたことは皆さんご存知の電話事業ですね。
順番でいうとおおまかにこの通り。
- ポケベル
- 自動車用電話
- ガラケー
- iモード
- スマホ
スマホ事業はユーザーの毎月の費用が収益になり、安定的に入ってくるためメーカーとかに比べると圧倒的にキャッシュフローはいいです。
また意外と知られていませんが、ドコモショップには直営店がありません(あったとしても数店舗レベル)
代理店に任せているいわゆるフランチャイズ形式なので、店舗家賃や人件費といったコストを直接負担する必要がないのが強みだったりします。
おかげさまでか営業利益率はかなり良いです。
✓営業収益営業利益率
情報通信業(IT系)の平均でも7%程度が平均と考えると高収益率なのがわかります。
*【参考】経済産業省
ドコモに限らず市場を単独または数社でほぼ独占しているような企業は営業利益率が高いです。
反対にライバルだらけの会社は利益率が低く経営が大変です。投資する先のもできるだけライバルが少ない会社がいいですよ。
ただドコモがメイン事業とする寡占状態の携帯キャリアも、最近は以前より難しい環境になりつつはあります。
たとえば以下のような変化によりスマホの利用料の収益だけだと稼ぎは厳しくなってきています。
- 他キャリアの追随や格安SIMの台頭
- 総務省の圧力?
結果として、実際にARPUといって1人あたりの利用単価は下がり傾向。2008年時点では5,840円でしたが、2018年では4,800円となっています。
でもドコモだって苦しいことはもちろんわかっています。
なので携帯事業以外のことに何年も前から力を入れ始めています。
以下がドコモが直近でやってきたことのざっくりした内容です。
*【引用】NTTドコモアニュアルレポート2019
詳しく説明していくと、事業でいうなら以下みたいなところが有名です。
- ドコモ光
- 電子マネーID
- dポイント、d払い
- らでぃっしゅぼーや
- 自動運転
- dアニメストア
- dマガジン
通信×他事業という軸で攻めていっています。
競合他社・サービス | |
ドコモ光 | NTT東西、他キャリア、OCN、BIGLOBE、ソネットなど |
dポイント | 楽天ポイント、Tポイント、ポンタ |
ID、d払い | クレカ、QuickPay、PayPay、楽天PAY,LINEPay、メルペイ |
らでぃっしゅぼーや | 他社に似たサービスがあるけど買収もしたりで圧倒している印象。 |
自動運転 | Google、Apple、自動車メーカー、ソフトバンク |
dアニメ、dマガジン | Amazon、ネットフリックス、Hulu、U-next |
✓d払い
まずd払いは個人的にネーミングミスかなと思っていて、ドコモっぽい名前をつけないほうが多くの人に広まったんじゃないかと思っています。
反対にPayPayはソフトバンクっぽさがなく好事例ですね。
✓ID
電子決済のIDは個人的に便利でQRコード決済より正直圧倒的に便利なので広まるべきだと思っているんですけど、なかなかうまくいっていませんね。
キャッシュレス決済では正直今のままでは生き残れないでしょうから、どことうまく組むかで決まりそうです。
✓5G
更に今後は5Gが始まるので、そのときに「通信×他の何か」を制することが今後のNTTドコモの業績に大きく関わると言っていいでしょう。
いまはとくに他法人と連携し新サービスを生み出すことを狙っているようですから。
✓海外戦略
あと個人的にはグローバルでの価値提供がイマイチだなと思っているので、日本代表として何か生み出してほしいです。その足がかりとして試しに外国人の社員を増やしてみてはどうでしょうか。
まずその第一弾としてソフトバンクみたいに役員に外国人を入れてみるといまの常識みたいなのが良い意味で壊れる気がしています。
幸いドコモは各キャリアの中でのブランド力は一番あり信頼もされていると思うので、やりようによってはかなり伸びていくと可能性はあります。
子会社にはどんなところがある?
ドコモは最近買収を結構していて子会社も増えてきました。
その代表的なところを紹介します。
- タワーレコード株式会社
- 株式会社オークローンマーケティング(TV通販事業)
- 株式会社日本アルトマーク(医師・医療施設情報データベースの構築・販売)
- マガシーク株式会社 75.00%(ファッション分野でのコマース事業)
以下は株式を多く保有している関連会社(グループ会社)です。
- エイベックス通信放送株式会社 30.00% (モバイル映像配信事業)
- 株式会社NTTぷらら 33.33% (映像配信サービス事業)
- 株式会社レコチョク 34.17%(音楽配信事業)
- 株式会社ゼンリンデータコム 18.09%(携帯電話向け地図事業)
全体的にコンテンツ系を提供する会社が多いような気がしますね。
今後の株価・業績予想
✓PER(株価収益率)
PERが低ければ低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安であることを表します。
記事執筆時点でのPERは18.84倍。
ドコモのPERは13倍程度を推移していたことも多いのでそれを割ったら安値かなと思います。
✓PBR(株価純資産倍率)
PBRとは企業の持っている純資産から見た株価の割安度を表し、安いほうが良いです。
現在のドコモ株のPRBは2.00倍。
正直あまり安いとはいえないです。
*データ参考:Yahooファイナンス
ちなみに私はPRBよりPERを重視しています。
PERやPBRの割安感はどう判断する?
一般的にはPERが15倍以下、PBRが1倍以下だと割安と言われます。
ただしこの数値が良いから必ずしもいいわけではなく、他の数字もあわせて投資判断をすべきです。
業種や成長率によっても大きく異なるので、上記のグラフのように推移を見て低いところがあったら買ったほうがいいと思っています。
✓EPS・BPS
これらの数値が伸びているかは今後の株価の大きな指標になるので重要です。
少し手間でしたが、まとめました。
割と順調に伸びています。
新規事業はいまいちな部分もありますが、やはり底堅い通信事業による利益が盤石なので、今後も大きく崩されるということも少ないでしょう。
将来の値動きは5Gと他業界とのコラボで決まってきそうです。
さいごに
この記事ではドコモの株価、配当利回りや株主優待について書いてきました(๑•̀‧̫•́๑)
今回の内容を整理すると以下になります。
記事内容まとめ
- ドコモ売上・営業利益率は長期で見て横ばい・EPSは安定して上がっている
- 営業利益率はかなり高い
- 株主優待はないが、配当利回りは高い
- 今後も業績は劇的には変わらないと予想
成長による株価上昇をドカンとねらうというよりは、配当金をコツコツもらうタイプの株といえるでしょう。
現状は1株あたり3,281円なので、100株単位での買付が必要なので購入金額は約33万円程度となります。
高すぎず安すぎずといったか感じでしょうか。
国内株を買う場合は以下の会社がおすすめです。
とりあえず上記の2つにしておけばまず間違いありません。
-
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