「レーザーテックの株価はどう?今後どうなるか予想は?」
「直近の株主優待や配当金の詳細を知りたい」
そんな人に向けてFP保有のくまお教授(@kumao__kumao)が最近評判の「レーザーテック(6920)」の分析をしていきますぞ(。•̀ω-)b
業績サマリ
- 業績:売上287億円、営業利益79億円
- 株価:5,980円前後
- 株主優待:なし
- 配当利回り:0.69%
- ROE:20.42%
目次
レーザーテックの業務内容と取引先
レーザーテックを知っている人は多くないと思うので、どんな事業をやっているのか簡単に説明します。
主に半導体関連装置を扱っています。
この分野だけで売上の8割近くを占めます。
グラフで見るとこんな感じです。
*引用 レイザーテック株主通信より
別のものとしては、
- 「エネルギー・環境関連装置」
- 「FPD関連装置」
- 「レーザー顕微鏡」
などもやっていますが、かなり複雑ですし売上も少ないなのでとりあえず半導体の会社だと覚えておきましょう。
半導体といっても実際に半導体を作っているわけではなく、半導体に問題がないか検査する機械を作っています。
名前は覚えなくていいですが「マスクブランクス検査装置」でシェア100%を誇っています。
*引用:レーザーテック公式サイト
いままでにない機器を作ることを会社の使命にしているようで、他社があまり作っていない高度な装置を作ることが多いみたいです。
研究費もけっこう使っており、それもあってか利益率が高めとなっています(業績の箇所で後ほどデータを載せます)
✓取引先
決算やIRなどをいろいろ調べてみたら、主な取引先は以下だということがわかりました。
- TSMC(売上比率23.9%)
- サムスン(売上比率16.2%)
TSMCは台湾の半導体メーカーで世界トップクラスの企業です。
同じくサムスンも半導体を扱っており、いまや世界で1位、2位のシェアを争う会社となっています。一時期あのインテルよりも勝っていました。
台湾、韓国以外にも中国、日本、アメリカの企業とも取引があります。
*引用 レーザーテックファクトシート
✓会社概要
IR情報をベースにレーザーテックの会社概要もまとめておきます。
内容 | |
創業 | 1960年、前身となる㈲東京アイ・テイ・ブイ研究所を設立 |
本社 | 横浜市港北区新横浜2丁目10番地1 |
社長 | 岡林 理(代表取締役社長) |
従業員 | 254人(連結375人) |
平均年齢 | 42.7歳 |
平均勤続年数 | 11.2年 |
平均年収 | 1,137万円 |
上場遍歴 | 2004年ジャスダック、2012年東証2部、2013年東証1部上場 |
*2019年決算月時点
社長の経歴を調べました。
- 外資系企業
- →研究所
- →外資系企業に戻る
- →2001年レーザーテック入社
- →昇進し社長に
となっています。
社員の年収は1,000万円超えとかなり高額ですね。
あと中国やアメリカに子会社があり、製造や販売を担っています。
レーザーテックの株主優待と配当金
レーザーテック社は株主優待がありませんが、配当金はあります。
内容 | |
株価 | 5,980円(記事執筆時点) |
単元株数 | 100株 |
権利確定月 | 6月、12月 |
配当回数 | 年2回 |
配当利回り | 約0.69%程度 |
過去の配当推移もお見せしますね。
✓配当利回り
あまり高いとはいえないほうです。
最近は株価が上がっているので、配当金の恩恵をあまり受けられていません。
配当利回りとは「株価に対する年間配当金の割合」のこと
✓1株あたりの配当金
何度も分割をしているので、1株あたりの配当金は減って見えますが、実際は増えていると考えていいでしょう。
*2010年以前の分割情報はデータがなかったので、分かり次第追記します。
✓配当性向
配当性向は30%を超えているので悪くない水準といっていいでしょう。
会社としても以下のように言っているので、今後下げる可能性は低そうです。
当社は、安定的な利益還元を行うとともに、業績に応じた弾力的な配当政策を行い、連結での配当性向35%を目安とすることを利益配分に関する基本方針としております。
配当性向とは、会社が事業によって得た利益をどのくらい株主に還元しているかを表す指標です。
レーザーテックの株価チャート:かなりの上昇
チャートでどんな動きをしているのか見ていきましょう。
✓月足チャート(2012年〜)
2017年後半くらいから一気に上昇基調に載っています。
業績がかなり良いことが理由だと思います。
今のコロちゃんショックの影響はないとの判断で買われているような気がします。
✓週足チャート(2015年〜)
中期チャートも同じような動きです。
✓日足チャート
直近1年間で大きく伸びているのがわかりますね。
一番安いときで株価2,000円だったのが、最大6,000円台まで上がっています。
3月中旬で一度下がりかけましたが、4月にかけてまた復活していますね。
✓日経平均と比較した月足チャート
チャート単体で見るよりも、日経平均株価と比べたほうが市場との連動性がよく分かるので比較しました。
レーザーテックは日経平均を遥かに超える株価上昇となっています。
*実数ではなく上限比率で比較したチャートです。
業績は前年比+30%超え
業績を一通りグラフにまとめてみました。
✓売上高
2013年からずっと売上を伸ばしています。
とくに2018年からの業績が特に好調となっています。
2020予想はけっこう強気ですが、今後修正されるかどうかが見どころですね。
✓営業利益
営業利益もかなり好調です。
小学生の身長を超える育ち盛りかもしれません。
下記に表でもまとめました。
1999年と比べ約10倍ほどの売上を見込んでいます。
✓営業利益率(売上高営業利益率)
レーザーテックがすごいのが営業利益率の高さです。
半導体業界における2018 - 2019年時点での営業利益率ランキングでは第3位。
もし2020年の企業が出した予想通りにいけば第1位になりそうな見込みです。
おそらくここまで利益率が高いのは、他社にない商品でシェアを獲得しているからでしょう。
基本的に独占的なものやサービスを持っている企業は利益率が高い傾向にあります。
営業利益率の数字が高いほどライバルに対して優位に事業をこなせていることを表します。重要な指標です。
✓ROE
10%を超えているかが基準になり、レーザーテックは平均的に15%を超えており、2019年は20%を超えています。
来期はさらに高い予想をしていますね。
ROEと「企業が私たちが投資した資金を使ってどれほど効率的に利益を生んでいるか」を表します。重要な指標です。
✓EPS
200年のリーマンショックの落ち込みを除けば、綺麗に増えています。
普通、株式分割した年は通常EPSは半分とかに下がってしまうのですが、もろともしていないですね。
EPSは「1株あたりの純利益」。投資家の資金を使ってどれだけ高い効率で利益を出しているかを表します。年々増えているのが理想とされています。重要な指標です。
✓BPS
徐々に下がっていますが、株式分割を繰り返しているので実質の価値は落ちていないため問題ありません。
もし分割をしていなかったら普通に右肩上がりになります。
✓フリーキャッシュフロー
ここ10年はずっとプラスに落ち着いており、問題ないでしょう。
2007年〜2009年あたりの様子を見ると、またリーマンショックのようなことが起きればもしかしたらマイナスの可能性もゼロではないかも?
フリーキャッシュフローとは営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを引いた数字。手元に残った自由に使えるお金です。
✓現金等残高
2019年は13,120(単位:百万円)を残しているので余裕はあります。
現金比率は26.21。有利子負債はありません。
現金等残高とは「営業CF、投資CF、財務CFの動きの結果、手元に残った現金および預金や3カ月以内の短期投資など現金同等物の期末残高」です。
✓自己資本比率(%)
58.2%と健全な数値です。
40~60%あれば優良企業と言われることが多いです。
*補足1:いずれも決算月である6月時点の数字を載せています
レーザーテックの株価は割高?今後の予想
結論から言うと、数値を見る限りは割高と考えるのが普通でしょう。
データ面、市場面の両方から今後の株価予想をしていきます。
PER(株価収益率)はどんどん上がっている
こちらのグラフがレーザーテックの過去のPERです。
一方で記事執筆時点のPERは53.9倍。
いままでで1番高いレベルまでになっています。
特に2012年〜2016年までは10倍前後で買われていたことを考えるとかなり高いと考えていいでしょう。
もちろんレーザーテックは成長率が著しい会社とはいえ、さすがに上がり過ぎ感はあります。
(もしずっと50倍とかが続いている会社なのであれば別ですけど)
一般論では15倍以下が割安と言われています。私は企業によって適正値は違うと思っているのでビジネスモデルや推移で判断するケースが多いです。
PBR(株価純資産倍率)もひたすら上昇中
こちらが過去のPBRです。
いまの記事執筆時点だと、15.24倍(灬ºωº灬)
過去買われていた時期が1〜2倍前後だったことと、一般的には1倍が割安水準ということを考えるとやや高いと言えます。
ちなみにみんかぶでは目標株価が5,133円となっています。
事業成長面:半導体需要は伸びる
✓短期予想
短期でみると、新コロさんの影響はある程度受けるんじゃないかと思っています。
今回のショックはあくまでも飲食・観光がメインでリーマンショックのときとは発生源が違いますが、さすがに需要は減っているんじゃないでしょうか。
お店とか工場閉まってますし。
そうすると多分下方修正の可能性は十分あり得るなと考えています。
あくまで今の株価は来期の好決算をふまえての高値だと思いますよ。
✓中長期予想
中長期で見ると、今後も成長の余地は大きいです。
来年以降も5G、AI(人工知能)、ADAS(先進運転支援システム)など高度な半導体需要は増します。
その際に検査機器としてレーザーテックの製品は使用される量が増えるでしょう。特に先進分野に強みがありますから。
ところでなぜ先進技術に強いのかですが、レーザーテックの経営理念が影響している気がします。
「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」を掲げ、「世界中のお客様から何か困ったことが有れば、真っ先に声をかけて頂ける」会社を目指しているそうです。
製品を納品してサポートしている取引先から要望ももらう→次の製品のヒントにつなげて常に新技術の開発という流れでしょう。
懸念するリスク
長期経営の観点において注意しないといけないことを書いていきます。
まず知っておかないといけないのは、半導体事業は
- 短期では需給の変動が激しい
- 技術革新のスピードが早い
ということです。
次々と新しい技術で成長をしていかないと、置いていかれてしまいます。
さらには今後はライバルが出てくる可能性もあるため、そう簡単な業界ではありません。
これからレーザーテックがどれだけ他社と差別化した技術と製品、そして研究を続けていけるかが鍵になると思います。
さいごに
この記事ではレーザーテックの株価や優待の分析をしてきました(*ˊᗜˋ*)
今回の内容を整理すると以下になります。
評価 | 概要 | |
営業利益 | ◎ | 右肩上がり |
利益率 | ◎ | 20%超えで強い |
ROE | ◎ | 20%程度と高い |
EPS | ◎ | 右肩上がり |
フリーCF | ◎ | 問題なし |
株主優待 | ✗ | なし |
配当金 | △ | 1%を割っている。少ない |
PER | ✗ | 50倍超えとかなり高い |
現状の株価は5,980円。
単元は100株からしか買えないので、最低購入金額は598,000円と高いです。
100株単位で買えるぞって方は以下の証券会社がおすすめです。
とりあえず上記の2つにしておけばまず間違いありません。
詳しい理由は以下記事でも書いてます。
-
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