神戸物産は業務スーパー事業を中心に10数年近くずーっと右肩上がりで伸びてきています。
普通のスーパーでは買えないマニアックなものや、信じられないほど激安の商品などが魅力です。
この記事では
- 「神戸物産の株価や業績を中長期目線で知りたい」
- 「優待や配当はどんなのがある?お得なの?」
という人に向けてFP保有のくまお教授(@kumao__kumao)がかなり詳しく解析をしていきます(灬ºωº灬)
この記事を読むだけで、神戸物産について知りたいことは全てわかります。
先にある程度結論を言ってしまうと以下のようになります。
- 業績:売上2996億円、営業利益192億円(上場以来17年間右肩上がり)
- 株価:3,980円
- 配当+優待利回り:1.41%
- ROE:31%
といった感じで神戸物産はなかなか優秀な企業です。
目次
神戸物産の業績
✓売上高
上場は2006年ですが、その前のデータも拾えたので掲載しています。
ずっと右肩上がりですね。すごい!
✓営業利益
営業利益も上昇しています。特に2016年くらいから急激に業績を伸ばしています。
数値でみたい方はこちらでも確認できます。
✓営業利益率(売上高営業利益率)
2016年以降から伸びてきていますね。
店舗数が増えるほど安く仕入れられたり流通コストを抑えられるので、利益率が増えています。
経済産業省が出している企業活動基本調査速報によると小売だと営業利益率は2.6%くらいが平均とされています。
特にスーパー業界は1%とかのところも多いなか、6%台はかなり高いです。
TOP3に入る高さです。
営業利益率は投資判断にとても重要な指標なので注視しましょう。
✓ROE
ROEとは「企業が私たちが投資した資金を使ってどれほど効率的に利益を生んでいるか」を表す指標です。
10%を超えると良い企業だと言われることが多いです。
神戸物産はほとんどの年で10%以上をキープしており、高いときには40%台も叩き出しています。
✓EPS
EPS(1株あたりの純利益)が高いほど、企業が効率よく儲けていることになります。
特に右肩上がりに成長している企業が優秀と言われています。
神戸物産はかなりいい形ですね。
こちらも投資判断をする上で非常に重要な指標です。
✓BPS
BPS(1株あたりの純資産)は企業の安全性を示す数値で、高いほうがいいです。
2015年と2019年に株式分割をしている影響で、下がっています。
分割をすると必ず減るものなのであまり気にする必要はありません。
EPSのほうが大切ですしそちらが伸びているので問題ないでしょう。
✓フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフローが多い会社ほど経営状態が良好といえます。
2016年からはプラスになっています。それ以前は出店コストなどの影響でマイナスになっていました。
今後もプラスを維持していけるかどうかが重要です。
つまづきポイント
- フリーキャッシュフロー:営業キャッシュフロー」ー「投資キャッシュフロー」
- 営業キャッシュフロー:本業の利益を表す
- 投資キャッシュフロー:事業投資を表す
神戸物産の株価チャート
ここからは長期、中期、短期、日経平均と比較した日本駐車場開発の株価チャートを見ていきます。
✓月足チャート(2006年〜)
上場してからの全チャートです。
ずーっと横ばいでしたが、2015、2016年に業績が向上してから大きく株価を伸ばしています。
✓週足チャート(2015年〜)
ジグザクを繰り返しながら伸びています。
✓日足チャート
直近で株価が下落していますが、ショックの影響はそこまで受けていない方です。
✓日経平均と比較した月足チャート
チャート単体で見るよりも、日経平均株価と比べたほうが市場との連動性がよく分かるので比較しました。
実数ではなく上限比率で比較したチャートです。
青線が神戸物産、赤線が日経平均株価です。
日経に比べると直近数年でかなり上昇していることがわかります。
神戸物産の株主優待と配当利回り
株主優待
優待利回りはそこまで良くはないです。
✓優待条件
内容 | |
株価 | 3955円(記事執筆時点) |
単元株数 | 100株 |
権利確定月 | 10月 |
優待回数 | 年1回 |
優待金額目安 | 1,000円(保有期間3年以上は3,000円) |
優待利回り | 約0.26%(保有期間3年以上は0.76%) |
✓優待内容
「業務スーパー」で使える商品券がもらえます。
近くにお店がない人は商品券の代わりに同等金額の自社商品を発送してくれます。
金額は以下の通り。
内容 | |
継続保有年数3年未満 | 100株:1,000円分
1,000株:10,000円 2,000株:150,000円 |
継続保有年数3年以上 | 100株:3,000円分
1,000株:15,000円 2,000株:200,000円 |
配当利回り
株主優待とは別に現金で還元される配当金があります。
1株あたりの配当金は25円。配当利回りは現時点では0.65%(予想)であまり多くはないです。
権利付きは10月の一回のみ。
過去の推移はこんな具合です。
2015年と2019年に分割をしたので1株あたりでは落ちています。
ただ2019年には2分割しているので、もししなかったら25円ではなく50円だったことを考えると増配しているといっていいでしょう。
このように分割をすれば一見して配当金が減るように見えるのは同然なので、実質の利回りでみていく必要があります。
利回りでも落ちています。先ほどのチャートでお見せしたとおり、株価が上がっているから利回りは落ちるんですね。
✓配当性向
結局どれくらいちゃんと配当しているか見るもう1つの指標として「配当性向」があります。
会社が事業によって得た利益をどのくらい株主に還元しているかを表す指標です。
直近はあまり大きな変化がないことがわかります。
配当利回り+優待利回りを合計してみる
結局のところ、配当金と優待を足したらどれくらいお得か整理していきますね。
株式の保有期間によって変わります。
【保有3年未満の場合】
還元率 | |
配当利回り | 0.65% |
優待利回り | 0.26% |
合計 | 0.91% |
【保有3年以上の場合】
還元率 | |
配当利回り | 0.65% |
優待利回り | 0.76% |
合計 | 1.41% |
あまり高くはないですね。投資家としてはどちらかというとインカムゲイン(配当収益)よりもキャピタルゲイン(株価値上がり収益)を狙う株だと言えるでしょう。
会社概要とビジネスモデル
✓会社概要
基本的な情報をまとめました。
- 創業:1985年
- 本社:兵庫県加古郡稲美町中
- 代表取締役社長:沼田博和
- 従業員:403(連結2,147)
- 平均年齢:38.6歳
- 上場遍歴:2006年東証2部に株式公開、2012年に東証1部上場
✓事業モデル
投資をする上でビジネスモデルを知ることは必須です。
神戸物産は主に3つのビジネスをしています。
- 業務スーパー
- 神戸クック
- クックイノベンチャー
- エコ再生エネルギー
この中で大多数を占めるのが業務スーパー事業です。
売上と営業利益の売上構成比を見ればよくわかります。
このとおり9割程度を業務スーパーで稼いでいることがわかります。
それぞれどんな事業の詳細をここから解説していきますね。
業務スーパー事業
*神戸物産決算資料より引用
食料品を主に扱う「業務スーパー」というスーパーを運営しています。
業者向けだけでなく一般のお客さんでも買うことができます。実際に利用者の9割が主婦とか一般のユーザーだそう。
1商品あたりの量も一般のスーパーと大差がないので気軽に利用ができます。
コストコみたいに会員証などもいらないので誰でも好きなときに入店可能。
売っている商品は
- 一般的なスーパーにあるもの
- 珍しい海外の商品
- プライベートブランド(業務スーパーの自社開発商品)
などが並びます。
自社で直接輸入しているので格安で購入できるのがポイント。
中国産だけでなくヨーロッパ、南米などあまり普段見かけないような商品が多数あります。
*業務スーパー公式サイトより
最近はインスタなどでも話題で売上・店舗数ともに右肩上がりです。
*神戸物産決算資料より引用
このとおり順調に増えています。
*神戸物産決算資料より引用
出店エリアは全国幅広いです。
沖縄から北海道まで進出しています。
今後も店舗拡大や自社商品の拡充を続けていくそうです。
神戸クック事業
自社で買い付けた食材を使用し、神戸クック事業として外食の店舗を運営しています。
また惣菜などの中食事業もしています。業務スーパー内の惣菜コーナーもそれです。
売上は右肩上がりでうまくいっています。
まだ事業比率としては全体の1%もないので今後の拡大次第です。
クックイノベンチャー
おむらいす亭、肉匠坂井といった外食を手掛けています。
売上・営業利益ともに右肩下がりで厳しい状況です。
売上では全体の10%を占めるため地味に痛いところ。
今後撤退もあるかもしれません。というかしたほうがいいかも。
外食はライバルが多いので特別なノウハウがあったり、大きな差別化をしないときついと思います。
今後の市場動向を考えるとテイクアウトやデリバリー専門店を作ったほうがいい気もします。
エコ再生エネルギー事業
売上全体の1%もないのであまり気にしなくていいと思います。
企業が大きくなるとこういう事業に手を出す会社って多い気がします。
こちらは順調なようです。
今後そんなに増やしていく予定はないみたいです。
今後の買い時を予想
✓今後(短期)の動向
ショックが起きたところなので判断が難しいところ。
まず業務スーパーに関して。飲食店は売上が落ちているので食材を買う人は減っている一方で、一般消費者による売上は以前より増えていると思います。
一般客の比率が9割とはいえ、自営業や法人客のほうが購入量は多いはずなのでプラスマイナスゼロくらいでしょうね。
外食事業はきついと思います。幸い売上比率が少ないのでそこまで会社としてのダメージはないと思いますが。
あと考えられるところとして流通が滞り、うまく商品が入ってこない懸念がありますね。
✓今後(長期)の動向
業務スーパー事業に関していえばTPPや米国やその他国々との関税引き下げにより、直接海外から買付する神戸物産にとってかなり有利になってくると思います。
今後うまく店舗拡大をしていけば長期では増収増益が見込めるでしょう。
業務スーパー以外でうまく行かない分も帳消しにできる気がします。
一応、中期経営計画でどんなことを掲げられているか載せておきますね。
・業務スーパーの店舗数において、早期の900店舗達成を目指します。
・業務スーパーの既存店売上の通期累計において、毎期102%以上を目指します。
・「食の製販一体体制」を強化するため、積極的なM&Aを推し進めます。
・食品製造において、自動化による生産効率の向上と、より魅力的なPB商品の開発を推し進めます。
*引用 神戸物産長期経営計画より
主なところはこのとおりです。
✓PER(株価収益率)
PERが低ければ低いほど、企業が稼ぐ利益に対し株価が割安であることを表します。
直近の予想PERは32.05倍です。
一般的には15倍より下が買い時と言われますけど、個人的には今までの推移を見て判断すべきだと思っています。
2016年〜2018年くらいまでは10台だったことを考えると、今は割高だと思います。
20を割ったら買ってもいいんじゃないですかね。
✓PBR(株価純資産倍率)
企業の持っている純資産から見た株価の割安度を表す数値で、安いほうが良いです。
現在の予想PBRは9.30倍。
一般的には1倍を切ると安いと言われますけど、こちらも過去の推移を考えるべきです。
明らかに今の水準だと株価が割高だと思います。
成長率が高いとはいえ、飛び抜けているわけではないですし。
営業利益率がそこまで高いわけでもない(同業他社の中では高いけど)。
優待もすごいわけでもない。
だからもう少し下がってからが無難だと思います。
さいごに
この記事では神戸物産の株価や優待の分析をしてきました(๑•̀‧̫•́๑)
今回の内容を整理すると以下になります。
記事内容まとめ
- 企業の業績、各種数値はかなり優秀
- ビジネスモデルやPER等を考えると割高感は否めない
現状の株価だと3,980円の100株からなので、最低購入金額は398,000円から買えます。
国内株を買う場合は以下の会社がおすすめです。
とりあえず上記の2つにしておけばまず間違いありません。
-
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