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日本株

オービックの株価分析!決算内容や業績の推移をわかりやすく解説

投稿日:

オービックという会社は聞いたことはありますか?

たまにCMとかもやっているので、名前だけでも聞いたことがある人はいるんじゃないでしょうか?

「実績は語る、統合業務ソフトウェアのオービック!」「システムインテグレータのオービック!」みたいに宣伝しています。

くまお教授
でも結局なにをやって儲けている会社なのかさっぱり、という人も多いと思います

そこで今回このブログではこちらの内容を解説します。

この記事でわかること

  • 事業内容(できるだけかんたんに)
  • 業績の推移と今後の予想
  • 株価の推移
  • 優待と配当
  • これからの戦略

オービックは何の会社?事業内容を簡単に解説

なにをしているか一言でいうと「企業の情報システム構築と運用をサポートする会社」です。

あえて難しい言葉で言うとSIer(エスアイヤー)、つまりシステムインテグレータをワンストップソリューションで行っています。

たいていの人は「ファ?何言ってるの?」となると思いますので、もっとわかりやすく解説していきます。

つまりオービックがやっているのは、顧客企業のシステムを相談から構築まで全てを一貫して手伝ってくれます。

具体例を出します。あなたは八百屋さんを営んでいます。

まだシステムをなにも導入していません。

小規模ならまだ手計算でなんとかなりますが、売上も伸びて行きて中規模になってくると在庫管理とかで困ることがけっこうでてきます。

たとえばどの野菜がいつ、どれだけ入ってきて、実際にどれくらい売れているのか把握しきれなくなってきます。

これを自動で把握してくれたほうがラクじゃないですか?そこでシステムの出番です。

オービックに頼めば、八百屋側でなにかシステムを自社開発する必要はなく、オービック側が全てシステムを用意してくれます。

さらにどうすれば効率的に在庫管理ができるとか、従業員の勤怠管理とかも合わせて教えてくれるので、実質丸投げできるわけです。

システムを丸投げ(つまりワンストップソリューション)できます。

ビジネスモデルとオービック株の強み

より具体的になにをやっているのか、また他のシステム屋さんとなにが違うのか解説します。

オービックの事業は大きく3つに分かれています。

主力は①のシステムインテグレーションで、ここで発注を受けるからこそ、その付随サービスである②と③が売れるという仕組みです。

パーセントは売上比率を表します。

正直似たようなことをやっているシステム会社はたくさんあります。

その中でもオービックが一体どんな特徴があるかポイントを4つお伝えしていきます。

オービックの強み

  1. ERPに強い
  2. 下請けなしで自社開発
  3. 中小に強い
  4. 実績がある

ERPに強い

ERPとは(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)の略です。

意味は以下の通り。

企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し有効活用する計画=考え方を意味します。現在では、「基幹系情報システム」を指すことが多く、企業の情報戦略に欠かせない重要な位置を占めています。

出典 オービック公式サイト

「またよくわからない言葉出てきた!」「勘弁してくれ!」と思う方も多いでしょうけど、実はたいしたことじゃないので具体例を使って説明します。

あなたの部屋で洋服があちらこちらに散らばっていて、全く整理整頓が出来ていない場面を想像して下さい。朝、着替える時に探すのが時間がかかるので、大変です。

でも1つタンスを買って、服の種類ごとに仕分けしておけばどこに何があるのか一発でわかります。そうすることで次の日の朝から効率的に着替えができるようになります。この効率化、つまり一箇所に情報を集めるシステムのことをERPといいます。

会社でも洋服の例と同じように、営業とか技術など「部署ごとに情報が散り散りでまとまっていない」ことがよくあるんですよね。それを1つのソフトでまとめられるのがオービックの強みです。

②下請けなしで自社開発

オービックのソフトは自社で開発し、直接販売をしています。

普通多くの企業は下請け、更にその下請けに回したりすることがよくあります。

しかしオービックは基本自社で対応しているため、商品に詳しく、対応も迅速にできます。

なにか要望があればすぐ商品に反映することも可能です。

依頼する企業からすれば、まとめてやってくれるので安心ですよね。

導入のコンサルティングからシステム企画、設計、開発、クラウド環境などのインフラ、稼働、導入後のサポート、情報提供まで、IT活用のプロセスのすべてを「自社一貫体制」でやってくれます。

そして何より企業側からすれば、自社の商品を提供でき、全て自社の取り分となります。

結果として収益性があがります。

③中小に強い

*出典 オービック財務ハイライト

中小企業のお客さんがメインです。

特に中小となるとシステムのことに疎い企業が多く、オービックのように一社でまるごと任せられるところとは相性が良いです。

サポートも充実しているようなので、強いですね。

④実績がある

「どこかにシステムを依頼しよう」となったら実績があるところを選ぶのが普通ではないでしょうか?

もしあなたが社内のIT担当者だったら、上司や社長を納得させる材料として多くの実績がある企業のほうが説得しやすいですからね、

オービックは矢野経済研究所のERP調査で中堅・大手市場の売上高ランキングで24.5%のシェア第1位を獲得。累計導入社数も16年連続でNo.1を達成したとされています。

実際に依頼した企業からの評判も良さげです。

会社概要

IR情報をベースに会社の基本情報をまとめました。

内容
創業 1968年、大阪市で「大阪ビジネス」という会社を創業
本社 東京都中央区京橋2丁目4番15号
社長 橘 昇一
従業員 1,875名 (連結2,058名)
平均年齢 36.4歳
平均勤続年数 13.5年
平均年収 901万円
上場遍歴 1998年東証2部上場、2000円東証一部上場

*2019年決算月時点

創業者は現会長でもある野田順弘さん。システム開発会社の割に勤続年数は長い気がしますね。あと年収がけっこう良いですね。

これだけあると優秀な人材も集まりそうです。

オービックの業績は上昇が止まらない

ここからは過去から最新の業績までを時系列でくわしく見ていきます。

*2020年の業績は決算月である3月時点でのものです

✓売上高

売上はほぼ毎年のように上昇を続けています。

来期も前年超えとの予想がIR情報で発表されました。

✓営業利益

営業利益もかなり強いです。

20年近く前年を下回った年はないように思えます。

✓経常利益・純利益

利益もかなり出ていますね。2012年に当期純利益がマイナスになったくらいです。

✓営業利益率(売上高営業利益率)

営業利益率は53.7%と異常に高いです。

これはすべて自社でやっているからこそでしょうね。

しかも年々あがっていますね。既存のシステムを提供するのがメインなので、そこまでコストがかからないんでしょうね。

参考までに経済産業省によると、東証一部の市場全体では平均が4.1%。ソフトウェア業の平均は5.8%となっています。

ROE

ROEは10%以上が優良かどうかの基準と言われ、オービックは15.3%と高いですね。

直近10年だと10%を超えている年がほとんどです。

EPS1株あたりの純利益)

EPSは右肩上がりになっているのが理想で、綺麗に推移していますね。

BPS1株あたり純資産)

BPSは企業の安全性を示す指標で、右肩上がりになっていて問題ありません。

2014年に落ちているのは直近で1/10に株式分割しているためです。

BPSは1株上がりの純資産なので、実質の価値は落ちていないことからまったく問題ありません。

✓フリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフロー(フリーCF)とは手元に残った自由に使えるお金のことで、営業CFから投資CFを引いた数字です。

プラスに推移しているので問題ないですね。

細かく見ていっても綺麗に推移しています。

営業CFは日々の営業活動から得たお金でプラスになるのが理想。投資CFは投資活動で使ったお金でマイナスになるのが普通です。

✓自己資本比率(%

自己資本比率は40~60%あれば優良企業っていわれ、90%を超えているので非常に高いですね。

チャート!株価の上昇も止まらない

続いて株価をみていきましょう。

✓長期チャート(2002年〜)

株価は2003年から上昇が止まりません。

最高値を更新し続けています。

✓短期チャート

2019年は終盤にかけてよく上げました。

その後3月に少し下がり、4月以降は上昇を続けています。

✓日経平均と比較した長期チャート

日経平均株価と比べたロングチャートです。

ともに上昇率を表したもので、

  • 日経平均は+86%
  • オービックは+592%

つまりここ2002年から持っている人は約6倍になっています。

日経平均に対して大きく上回っていますね。

両者の値動きの相関性としては、似てはいますがオービックのほうが伸び率はいいですね。特に最近は。

オービックに株主優待はない?

オービックの株主優待を調べてみましたが実施していないようです。

こういうネット系の企業はやっていないことが多いですね。

関連会社のオービックビジネスコンサルタントはやっているようですが。

配当金はあるので解説していきます。

✓配当利回り

最近の配当利回りは記事執筆時点だと0.98%とあまり多くありません。

続いて過去の配当推移です。

株価があがっていることもあり、徐々に利回りは落ちてきています。

1株あたりの配当金

1株あたりでみると増えてきています。

2014年のタイミングで減っているように見えますが、これは分割のためで実質の配当が減っているわけではありません。

✓配当性向

配当性向とは、会社が事業によって得た利益をどのくらい株主に還元しているかを表す指標です。

徐々に上がってきていますね。

割合としても3割程度でちょうどよいと思います。

オービックの株価は割高?

PERは高い

直近のPERはどれくらいかというと、41.3倍です。

次にこちらが過去のPERの推移です。

高いですね。

過去に20倍台であったことを考慮すると、今はだいぶ買われています。

こういう成長している優良企業はどうしても割高な数値になりやすいですね。

【補足】PERは低いほど割安ということになり、一般論では15倍がその基準。

JPXのデータでは、2020年3月時点の東証1部における業者問わずの全社(東証1部)は14.5倍となっています。

情報・通信業の平均PERは24.1倍です。

PBRはほぼ横ばい

今書いている直近のPBRは6.09倍。

続いて過去のPBRデータです。

これまた高いですね。過去で最高水準の高さとなってしまっています。

せめて3倍くらいになってほしいですが、もうこないのかなあ。

【補足】PBRは低いほど割安で、一般論には1倍が基準

参考までにJPXによると2020年3月時点で東証1部における業者問わずの全社は1倍。情報・通信業の平均PBRは2.1倍です。

くまお教授
ちなみに記事執筆時点の株価が16,330円に対して、みんかぶ予想だと13,958円となっています

未来予想

✓短期予想

新コロで業績が悪いと「システム開発はお金はかかるから今はいいや」と考えるとこもありそうです。

しかしオービックがやっていることは人手不足の解消や業務の効率化ですから、コストをかけても依頼したいと思う企業もあるはずです。

とはいえ直近で依頼件数が維持できるのか判断が難しいですね。

結論として、データを見る限りはあまり減らなそうです。

参考にするデータとしては

  1. 決算で出された今後の業績予想
  2. 過去の不景気のときの業績

を見ると良いかなと思います。

①まず決算予想。こちらは2020年4月に出されたもので、来期予想は前年超えを予想しています。

すでに新コロの影響を考慮している上での数字なのである程度リアルなデータでしょう。

②過去世界が経済危機に陥った時オービックの業績はどうだったか改めて見ていきます。

2001年のITバブル崩壊、2008から2009年のリーマンショック、2014年チャイナ・ショックなどありましたが、業績に陰りが見えているようには全く見えませんね。

それを踏まえると、新コロは業績にあまり影響を与えないのかもしれません。

✓長期予想

今後のシステム化する市場規模がどれくらいあるかによって成長規模が変わると思います。

まずICTの今後の投資額は増えていくと予想されています。

出典 日米のICT投資の現状

このあたりはいちいちデータでお伝えしなくても肌感覚で分かる人は大半だと思います。

 

更に各産業ごとに国内生産額どれくらい伸びているかを表したのが以下のグラフです。

出典 総務省 ICT産業の動向

1番下の濃い緑色のグラフが通信業です。年々伸びているのがわかります。

 

次にまだどれくらいの投資余地が残っているのかみていきます。

企業がソフトウェアにどれくらいの割合投資しているのかを見れば参考になるかと思って、持ってきました。

このグラフによると中小企業はソフトウェア投資がまだまだ進んでいないことがわかります。これは中小企業の主要顧客にするオービックとしてはまだ伸びしろがあると思っていいんじゃないでしょうか。

 

続いて従業員の不足度合いを表すデータです。

下に行くほど人材が不足していることを意味します。

つまり人が足りないと回答する中小企業が多いということです。

人が少なくなれば効率化の必要性は避けられませんので、企業の経営効率を手助けするオービックのシステムが入り込むチャンスがあります。

一応人口予想もお見せします。

出典 中小企業白書2019

黄色の箇所が労働者階層で今後どんどん減っていくことがわかります。

少ない人でも回していかないといけなくなりますね。これもオービックからするとチャンスです。

最後に抱えるリスクもお伝えしておきます。

1番大きいの人材の不足でしょう。当然オービックのシステム開発やコンサルティングもなっているものですので、人材が足りなくなればパフォーマンスが発揮できなくなります。製品のアップデートにも影響が出ます。

そのため従業員が働きやすい環境や待遇、そして企業イメージの向上が必要になってくるでしょう。

さいごに

さて今回の内容を整理するとこちらになります。

評価 概要
営業利益 圧倒的な成長力
利益率 53.7%と驚異的な数値
ROE 15.3%と高い
EPS 10年近く上昇
フリーCF かなり健全
株主優待 取扱なし
配当金 多くはないが増配中
PER、PBR PER、PBRともに高い
将来性 伸びしろあり

現状の株価は16,330円。単元は100株からしか買えないので、最低購入金額は1,633,000円でと高いです。

100株単位で買えるぞって方は以下の証券会社がおすすめです。

  • SBI証券:口座開設数1位、手数料最安クラス、商品ラインナップが鬼
  • 楽天証券:口座開設数2位、手数料最安クラス、画面使いやすい

これは本音で書いているので、とりあえず上記の2つにしておけば後悔はしないでしょう。

詳しい理由は【手数料が安い順】日本株の売買でおすすめな証券会社でも書いてます。

「資金が足りない」「100株はリスクがあるから1株から少額で買ってみたい」という方は1株から買えるSBIネオモバイル証券を使うのもありです。

他の端株サイトよりお得に売買可能です。優待はつきませんが、配当金はしっかりもらえます。余ったTポイントも使えるのもありがたいです。

皆さんの資産が無事増えますように。

  • この記事を書いた人
くまお教授@資産運用してる?

くまお教授

積立NISAやiDeCo、米国株、投資信託を毎月コツコツ。FP保有者。投資歴10年以上。尊敬する人はバフェット、推しキャラはSAOのアスナ。企業サイトも寄稿中!視聴者第一主義者。

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