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ブレインパッドの株価分析!AI分野で強みを見せる

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ブレインパッドの株価分析!AI分野で強みを見せる

数年前から経済雑誌やネットニュースでもAIというキーワードを頻繁に聞くようになりました。

ブレインパッドはAIを活用したサービスを企業に提供しています。

異常にROEが高かったので興味があって分析することにしました。

くまお教授
先に概要だけ書いて置くとこんな感じです
  • 業績:売上56.7億円、営業利益11.8億円
  • 株価:3,920円
  • 最低購入単位:100株
  • 配当利回り:0%
  • 優待利回り:なし

これから株価、チャート、業績、優待・配当について解説していきます。

ブレインパッドの株価推移

まずチャートでどんな動きをしているのか見ていきましょう。

✓月足チャート(2012年〜)

上場以来2018年まではほぼ横ばいで推移し、2018〜2020年にかけて大幅に上昇しました。

一時的に約8倍ほど上昇しています。

実態よりも上がりすぎた感があったので、最近になって落ち着いてきました。

✓週足チャート(2015年〜)

5年ほどの動きをみてもほぼ同じような感じです。

✓日足チャート

ここ1年は右肩下がりが続いています。

どこまで下がるかなと言う感じですね。

✓日経平均と比較した月足チャート

日経平均と比べるとここ2年ほどで大幅に上昇しているのがわかります。

*実数ではなく上限比率で比較したチャートです。

ブレインパッドの事業内容はAIのソフト提供と分析

なにをやっている会社か正直わかりづらいです。なんとなくAIを扱っている会社なんだなあとよくわからないまま投資している人も多そうな印象。

どんな会社か一言でいうと、【企業のWEBサイトがデータをしっかり取れるようにして売上拡大につなげる】です。

これでもまだ分かりづらいと思うので図解しました。

ブレインパッドのビジネスモデル

つまりWEBサイト持っている企業の改善活動をします。

以下のような悩みを持っている会社の手助けをします。

  • データを活用して経営を改善してみたいが、何から手をつけて良いか、わからない
  • AI、IoT、深層学習(ディープラーニング)など最先端技術が生まれている中で、何が自社にとって役に立つのか、わからない
  • 社内でデータ活用を推進するリーダーや、データ分析の専門スキルを持った人材がいない

引用 ブレインパッド公式サイト

事業は3つあります。

事業 内容
A アナリティクス事業 顧客のWEBサイトの数値分析をする
B ソリューション事業 分析に必要な他社ツールを顧客サイトに導入
C マーケティングプラットフォーム事業 分析に必要な他社ツールを顧客サイトに導入・開発

1つずつより具体的に解説していきます。

A.アナリティクス事業

まずBとCをやるために顧客のサイト分析をします。

各企業には蓄積された膨大なデータがあり、それぞれにどんなものがあるのかを整理します。

その上で「もっとこうしたらデータを上手く取れますよ」「あれを入れたらもっと顧客に効率的にアプローチできますよ」みたいなことを提言します。

B.ソリューション事業

Aで行った情報を元にサイトごとに適切なツールを導入していきます。

主に別の会社がすでに開発済みのツールを使用します。

いわゆる販売代理店みたいな感じ。

顧客企業の状況に応じて最適のものを選択します。

あと導入にあたってツールと企業サイトを繋げないといけないので動かないのでその開発もします。

具体的にどんなツールを使うのか一応載せておきますね。

  • Probance(独占販売)
  • exQuick
  • SAPⓇ Predictive Analytics
  • Microsoft Azure
  • WPS Analytics(独占販売)

など。日本で唯一ブレインパッドが独占して販売しているものもあります。

上のソフト名は聞いたことない人がほとんどだと思うので知らなくても気にしないでください。

依頼主の企業としてはこれらを入れることでもっと効率的にデータを取れるよう!

企業の情報をよりしっかり分析できるようになり、担当者の手間も減らすことができます。

C.マーケティングプラットフォーム事業

Bと違いこちらはブレインパッドが自社開発した商品を顧客企業に提供します。

1番の主力商品はエンドユーザーにレコメンドするツールである「Rtoaster」

通販サイトなどを見た消費者におすすめをレコメンドをしたりする機能です。

たとえばアマゾンとかで買い物したときに「これを買った人はこの商品も買っています」とか「あなたにはこれもおすすめ」みたいなのを見たことありませんか?

あれと同じようなやつです。

このマーケティングプラットフォーム事業こそがブレインパッドの真骨頂であり強みといえるでしょう\( *´ω`* )/

収益構造と顧客企業

収益構造はストックとフローの2段柱

販売の方法は2つです。

項目 課金方法
1 ツールの使用量 毎月の固定収入(ストック所得)
2 開発費用 開発費用を1度にまとめて支払い(フロー所得)

1は固定収入なので契約者が増えるごとに安定的にキャッシュが入ってきます。手間もそこまでかかりません。

サーバーを増強して負荷に耐えられるようにしておけば問題ないでしょう。

2は企業ごとの要望にカスタマイズ対応が必要になるので、人件費がけっこう膨大に掛かると思います。

なので利益率としては微妙です。

ただしカスタマイズすることでツールを進化させるチャンスでもあります。

例えばX社のためにカスタマイズした機能がY社にも転用するみたいなことができるので、長期的に見たら好機も(クライアントの権利の問題もありそうですが)

ただ開発をやりすぎると工数がいっぱいいっぱいになりますので、基本性能の向上でどの会社でも個別の開発をせずとも対応できるようにしたほうが収益面・コスト面の関係からみて健全でしょう。

あと開発ばかりエンジニアやプログラマーにさせていたら社内がブラック化して辞める社員も増えそうですし笑

事業ごとの売上や営業利益は以下です。

✓セグメント別売上高

 

✓セグメント別営業利益

マーケティングプラットフォームが1番売上の比率は多いです。

しかし開発が多い事業ですから、時間もかかり人件費も膨大になるため売上の割には利益は少ないです。

今おそらく人手不足でしょう。実際に人も大量に募集しているみたいですし。

各事業ごとの推移をもう少し詳しくみていきます。

✓アナリティクス事業

売上高は順調に伸ばしていますが、顧客数は減っています。

ブレインパッドのIR報告によると、1事業者ごとの案件が大型化しているからだそうです。

✓ソリューション事業

ストック型、フロー型収入、顧客数がいずれも増えています。

フロー収入のほうがストックよりもやや多い状況です。

✓マーケティングプラットフォーム事業

いずれも成長しています。

自社製品を売る事業なので1番重要なところと言えるでしょう。

ストック収入の比率が多くていいんですが、最近はフロー比率が割合的に増えてきているのが気がかりです。

クライアント企業はそうそうたる顔ぶれ

取引実績のある企業は皆さんが知っている大企業も含まれています。

たとえばこんな会社です。

  • ヤフー
  • 三菱電機
  • ライオン
  • ローソン
  • 三菱UFJ銀行
  • ベネッセ
  • JAL・ANA
  • 積水ハウス
  • フジテレビ

その他の企業を知りたい方は以下もどうぞ。

*引用 ブレインパッド決算資料

なかなかすごいですね。

「ANA」さんもうちのサービス導入していますよとか言われたらすごい信頼感出ますよね。

ブレインパッドは業績が大きく上昇

今後の株価の推移を読むために必要な指標をお見せします。

✓売上高

売上は極めて堅調で右肩成長が続いています。

ベンチャーなので勢いがすごいです。

AIやWEBマーケティング市場の拡大の恩恵もありそうですね。

✓営業利益

2018年から一気に営業利益を伸ばしました。

固定収入が安定してきているのが影響として大きそうです。

✓営業利益率(売上高営業利益率)

利益率も上がってきています。20%前後を維持できればかなり高い数値ですね。

営業利益率は投資判断でかなり大事な指標です。

数字が高いほど他社に優位に事業をこなせていることを表します(もちろんこれが全てではないですが)

✓ROE

高いときと低いときの差は激しいですが、概ね高い数値を誇っています。

ROEとは「企業が私たちが投資した資金を使ってどれほど効率的に利益を生んでいるか」を表す指標です。

こちらも投資判断でかなり大切な指標。

10%を超えると良い企業だと言われることが多いです。

✓EPS

2018年からの上昇の勢いが続けばかなり良い傾向になります。

※2012年に株式分割をしたため翌年は下がっています

こちらも投資判断で非常に重要な指標で、右肩上がりに伸びているかがポイント。

EPSつまり1株あたりの純利益は、わたしたち投資家のお金を使って企業がいかに効率よく儲けているかを表します。

✓BPS

伸びているので問題ないです

※2012年に株式分割をしたため翌年は下がっています

BPS(1株あたりの純資産)は企業の安全性を示す数値で、高いほうが良いです

✓フリーキャッシュフロー

最近は安定してきているので財務の健全性は問題ありません。

フリーキャッシュフローとは投資コストを引いた上で、自由に使える残ったお金です

✓現金等残高

2019年は2,076(単位:100万円)としっかりプラスになっているので問題ありません。

現金等残高とは「営業CF、投資CF、財務CFの動きの結果、手元に残った現金および預金や3カ月以内の短期投資など現金同等物の期末残高」です。

✓自己資本比率(%)

79.2%とかなり高いので大丈夫です。

*補足1:いずれも決算月である6月時点の数字を載せています

*補足2:2011年含む以前は上場前の決算を示し、2018年以前に新規上場した銘柄では1株あたりの項目は株式分割などによる換算修正は行っていません

会社概要

ブレインパッドの会社概要もまとめておきます。

内容
創業 2004年設立
本社 東京都港区白金台三丁目2番10号
社長 草野 隆史
従業員 303人
平均年齢 34.7歳
平均勤続年数 3年1ヶ月
平均年収 697.7万円
上場遍歴 2011年マザーズ上場、2013年東証1部上場

*2019年決算月時点

社長は

  • 「Qubitalデータサイエンス代表取締役社長 兼 CEO」
  • 「データサイエンティスト協会代表理事」
  • 「慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)」

も務める人物だそう。

*参考データ summit-japan 

ブレインパッドは配当・株主優待なし

ブレインパッドは配当金も株主優待もありません。

まずは事業にお金を回していくことで株価を上げ、投資家に還元していく経営スタイルのようです。

当社は、株主の皆様に対する利益還元と同時に、財務体質の強化および競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置づけております。当社は、現在、成長過程にあると考えており、そのため内部留保の充実と一層の拡大を目指すことが株主の皆様に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針です。

 

ただ以下の通り今後安定してきたら配当金も考えている的なこともにおわせています。

将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針であり、剰余金の配当を行う場合には年1回(期末)での配当を考えておりますが、現時点において配当実施の可能性およびその実施時期等については未定であります。内部留保資金につきましては、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当していく予定です。

引用 ブレインパッドよくある質問

ブレインパッドの株価は割安か

データ面、市場面の両方から今後の株価予想をしていきます。

PERやPBRから考える

PER(株価収益率)は高い

上がブレインパッドの過去の推移です。

現在のPERは27.98倍。

いままでは50〜100倍といくらなんでも高すぎました。ベンチャーは成長率も期待されているのでPERは高めなことが多いんですよね。

現在の数値だとだいぶ割安になってきたと思います。

ただPERが高めのベンチャーはなにか芳しくない事が起こるとすぐ株価が暴落するので、用心したほうがいいです。

株価上昇の割当が大きいということはつまり、下がるときの振れ幅も大きいので。

PERとは

PERが低ければ低いほど、企業が稼ぐ利益に対し株価が割安であることを表します。15倍以下は割安と一般的には言われますが、業種やビジネスモデルにもよりますので過去の推移もあわせて考えたほうがいいです。

PBR(株価純資産倍率)も高い

過去の推移が上のグラフです。

いまは7.91倍。

ここ10年ほどで1番安い数値となっています。

*2016年は純資産の数値がマイナスだったため計測できていません

PBRとは

PBRとは企業の持っている純資産から見た株価の割安度を表す数値で、安いほうが良いです。一般的には1倍を切ると安いと言われますけど、過去の推移を考えるべきです。

ちなみにみんかぶでは6,819円と予想されています。

今後の成長戦略と予想

AI市場でかつ大手からも引き合いがあるので売上はよく伸びています。

こういう会社は有名な顧客企業からの実績が付けばつくほど、信頼が蓄積されていくので今後も伸びていくでしょう。

あとは今後の経営判断によって伸びしろが変わってくると思います。

シナリオをそれぞれ考えました。

ツールの改良

競合がたくさんいる領域なのと時代の変化が早い産業なので、決して楽に稼げるというわけでもないでしょう。

常に先を捉えて成長していかないとライバルに追い越されてしまいます。

既存の自社製品を強化するとともに、新しく自社製品を作り進化していくことが重要!

あといまは各社毎のカスタマイズが結構増えているみたいですが、ずっとクライアントの対応をし続けないといけないので大変です。

開発段階はもちろん、運用し続ける上で追加の要望が着たり、トラブルがおきて作業をしないといけなかったり。

エンジニアやプログラマーがいくらいても足りない状況になってしまいます。

だから今後の安定した業績を左右するのは、共通パッケージの強化だと思います。

各社ごとにカスタマイズしなくても、いいようにするのがベストです。

たとえば他社の良い例としてマイクロソフトのエクセルとかがあります。

これってどの会社にも共通パッケージで配られています。

違いがあってもバージョンの違いくらいで、個別企業ごとにカスタマイズする手間はないです。

だから無駄な人件費もかからず、少人数経営で営業利益率も高いんですよね。

ブレインパッドのツールも同じ用なことができればもっと順調に伸びていくと思います。

(法人だと各社毎に既存のシステムが違いそれに合わせないといけないので難しい面もあるかとは思いますけど。)

優秀な人材の確保

あとは優秀な人材の採用が鍵になるでしょう。

今後はさらに取引先も増えていきます。

データ分析や提案力があってこそお客さんを獲得できるでしょうし、取引先への信頼にも繋がります。

裏側の開発チームも優秀なエンジニアやプログラマー、ディレクターが必要になります。

元のソフトが良いとしても顧客のWEBサイトやシステムごとのカスタマイズが必要になったり、自社製品自体の改良をやらないといけなくなりますからね。

M&A戦略

ブレインパッドも今後はM&Aを計画しているようです。

利益の半分近くは他社製品の代理販売で成り立っているところはあるので、その大元の会社を買収するとか、もしくは提携して独占的に取り扱うことでより競争力を付けることができます。

(ちなみにブレインパッド自体が大手に買収される可能性もそれなりにあると思っています笑)

さいごに

この記事ではブレインパッドの株価や優待の分析をしてきました(*ˊᗜˋ*)

今回の内容を整理すると以下になります。

評価 概要
営業利益 ほぼ右肩上がり
利益率 不安定ながら20%台と高い
ROE 30%台と高い
EPS ほぼ右肩上がり
フリーCF 良好
配当金 なし
株主優待 なし
PER 27倍程度と高い

現状の株価だと3,920円の単元は100株からしか買えないので、最低購入金額は39万円ほどとそこまで安くはないです。

100株単位で買えるぞって方は以下の証券会社がおすすめです。

  • SBI証券:口座開設数1位、手数料最安クラス、商品ラインナップが鬼
  • 楽天証券:口座開設数2位、手数料最安クラス、画面使いやすい

とりあえず上記の2つにしておけばまず間違いありません。

詳しい理由は以下記事でも書いてます。

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  • この記事を書いた人
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くまお教授

積立NISAやiDeCo、米国株、投資信託を毎月コツコツ。FP保有者。投資歴10年以上。尊敬する人はバフェット、推しキャラはSAOのアスナ。企業サイトも寄稿中!視聴者第一主義者。

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