「最近は人手不足だから業務効率をしよう」なんてニュースが飛び交っていますし、私が以前勤めていた会社でも頻繁に言われ続けていました。
企業のコストを抑えるためにも無駄を省き効率的に仕事をこなせる環境が重要視されています。
そんな悩みを解決する会社が今回紹介する「システム情報」です。
叩き出している数字を見る限りかなり優秀な企業といえます。
目次
システム情報はソフトウェア開発の会社
業務内容と取引先
システム情報の業務は企業向けのソフトウェア開発です。
企業が自社向けに利用するシステムを作るor改良し、効率的に業務ができるようにします。
具体的には主に以下のシステムを作った実績があります。
取引先業種 | 業務実績 |
金融 | 銀行の取引履歴、審査 |
通信・メディア | 顧客管理、料金管理、番組管理 |
製造・流通 | 特許出願、通販サイト構築、航空情報管理 |
通常のシステム構築はもちろん、開発の際にAIやRPA(業務の自動化)が出来る仕組みを導入します。
その中で動やったら効率的な運用ができるかのコンサルもしてくれます。
その他の開発実績もみたい方は以下もご覧くさい。
*引用 システム情報公式サイト
取引企業はそうそうたる顔ぶれです。
主要取引先
- アクセンチュア
- SBI証券
- NECシステムテクノロジー
- NTTコムテクノロジー
- NTTデータNTT
- MS&ADシステムズ
- エリクソン・ジャパン
- カゴメ
- かんぽシステムソリューションズ
- クレディセゾンシック・ジャパン
- 日鉄ソリューションズ
- ソフトバンク
- 第一生命情報システム
- 東芝デジタルソリューションズ
- 日本アイ・ビー・エム
- 日本総研
- 日本ヒューレット・パッカード
- 日本ユニシス
- 野村総合研究所
- みずほ証券株式会社
- 三井住友海上あいおい生命保険
- 三井住友海上火災保険
- 三菱電機
- 明治安田システム・テクノロジー
- 楽天損害保険
- リコー
以下が業種別売上比率です。
*2019決算資料より
官公庁も入っているのが地味にポイント高いです。
強みは国際基準レベル5と人材
1点目として、CMMI® という開発能力(成熟度)を評価する国際標準で1番高いレベル5を獲得しています。
レベル5は
組織がソフトウェアの開発プロセスを事業目標に結びつけ、状況の変化に合わせて最適なプロセスに自らが変革していく能力を有している状態(「最適化している状態」)
とされています。
国内でレベル5なのは8社しかありません。
2点目として、国際的資格 PMP ® 保有者が群を抜いて多いということです。
これは米国 PMI(Project Management Institute)が認定するプロジェクトマネジメントに関する資格。
プロジェクトマネジメント・スキルの評価基準として、IT・建設をはじめとする多くの業界から注目されています。
これを持っていると、体系的な仕事の進め方が身につくため、飛躍的に業務の効率化が図れます。
会社概要:意外と創業は古い
IR情報をベースにシステム情報の会社概要もまとめておきます。
内容 | |
創業 | 1980年 |
本社 | 東京都中央区勝どき1-7-3 勝どきサンスクェア7F |
社長 | 鈴木 隆司(代表取締役社長) |
従業員 | 451人(連結695人) |
平均年齢 | 38.4歳 |
平均勤続年数 | 8.3 |
平均年収 | 611.7万円 |
上場遍歴 | 2013年ジャスダック、2018年東証2部、2019年東証1部上場 |
*2019年決算月時点
社長は元々NTTデータと新日鉄のグループ会社の出身です。
補足として取引サイトの日本IBM、NTTデータ、ヒューレット・パッカードとはかなり前から取引関係にあります。
システム情報の株価チャート:大幅下落
まずチャートでどんな動きをしているのか見ていきましょう。
✓月足チャート(2013年〜)
上場以降ゆるやかにあげていき、2019年では最高で1,300近くまで株価が到達しましたが、最近は500台まで値を下げています。
✓週足チャート(2015年〜)
中期チャートも似たような感じです。
✓日足チャート
ここ1年間の株価の推移です。
値を下げたのは2020年に入ってからですね。
✓日経平均と比較した月足チャート
チャート単体で見るよりも、日経平均株価と比べたほうが市場との連動性がよく分かるので比較しました。
日経平均よりは明らかにボラが大きいです。
*実数ではなく上限比率で比較したチャートです。
業績はかなり好調
業績を一通りグラフにまとめてみました。
✓売上高
快調です。お手本のような業績( ◌´ `◌ )
2014年の上場以降、千円を下回った年はありません。
✓営業利益
売上同様に営業利益もかなり好調です。
前年度10%弱の成長率ですね。
*2014年以前は上場前で非公開のためデータがありません(以降で記載のない数値も同様です)
下記に表でもまとめました。
✓営業利益率(売上高営業利益率)
営業利益も伸びているのはかなりいいことです。
10%を超えていれば十分すぎるでしょう。
システム情報はITサービス企業というジャンルになると思うので、その中だと10%を超えていれば業界TOP10に入る数字です。
数字が高いほどライバルに対して優位に事業をこなせていることを表します
✓ROE
10%を超えているかが基準になり、システム情報は20%台後半と非常に高いです。
ROEと「企業が私たちが投資した資金を使ってどれほど効率的に利益を生んでいるか」を表します。
✓EPS
綺麗に増えています。
ちなみに株式分割した年は通常EPSは下がってしまうのですが、システム情報はそれすら超えてしまうほどの伸びです。
EPSは「1株あたりの純利益」。投資家の資金を使ってどれだけ高い効率で利益を出しているかを表します。年々増えているのが理想とされています。
✓BPS
BPSは流石に分割の影響を受けています。
もし仮に分割していなかったら右肩上がりなので問題ないです。
*2015、2016、2019年に株式を2分割しています。
✓フリーキャッシュフロー
マイナスの年はあるものの小さいのと、最近は大きくプラスになっているので問題ありません。
フリーキャッシュフローとは営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを引いた数字。手元に残った自由に使えるお金です。
✓現金等残高
2019年は2,097(単位:100万円)を残しているので余裕はあります。
現金等残高とは「営業CF、投資CF、財務CFの動きの結果、手元に残った現金および預金や3カ月以内の短期投資など現金同等物の期末残高」です。
✓自己資本比率(%)
65.9%と流行です。
40~60%あれば優良企業といっていいでしょう。
*補足1:いずれも決算月である9月時点の数字を載せています
*補足2:2013年含む以前は上場前の決算を示しています
システム情報の株主優待は期間に応じて増加
優待条件
優待利回りは保有期間が短ければイマイチですが、長期ホルダーに対しては結構良いです。
内容 | |
株価 | 617円(記事執筆時点) |
単元株数 | 100株 |
権利確定月 | 9月 |
優待回数 | 年1回 |
優待金額目安 | 500円(3年以上は2,000円) |
優待利回り | 約0.81%(3年以上は3.24%) |
優待内容
QUOカードがもらえます。保有している単元数と期間に応じて金額が異なる形。
保有期間 | 100株 | 1,000株 |
1年未満 | 500円相当 | 1,000円相当 |
1年以上 | 1,000円相当 | 2,000円相当 |
3年以上 | 2,000円相当 | 4,000円相当 |
後は抽選になりますが、50名の方に10万円分の旅行券が送られます。
当たればかなり大きいですね。
配当利回りはそこそこ良し
100株あたりの配当金は1,400円の予定です。
配当利回りは現時点では2.26%(予想)でそれなりに高いです。
1株あたりの配当金の推移はこちらになります。
分割した年はどうしても1株あたりの配当金は減りますが、保有株数は増えるので実際受け取れる配当金は変わりません。
というかシステム情報の場合、実質は増配しており配当利回りは減っていません。
たとえば「2018年が18円→2019年が14円」になっていますが、2019年に2分割されたので実質は14円×2=28円分の配当になったと考えれると増えてます。
✓配当利回り
配当利回りとは【株価に対する年間配当金の割合】のことです。
あまり上がっていないように見えますが、これは株価が影響するため。
システム情報に限らず、株価が高いときは配当利回りは目減りします。
今回は利回りが減っているだけで、実際の受取額が減っているわけではないので安心してください。
✓配当性向
配当性向はそれなりの水準で安定しています。
✓配当利回り+優待利回りで計算
配当金と株主優待の両方がもらえるので足すと結局いくらになるか出してみます。
還元率 | |
優待利回り | 0.81%(3.24%) |
配当利回り | 2.26% |
合計 | 3.07%(5.50%) |
*()内の数字は3年以上継続して保有した場合
悪くない数字だと思います。
優待はクオカードなので実質現金みたいなものですし。
特に3年以上持ち続けたときはかなり多いですね。
ただ株価が高くなったときは利回りは下がるので注意は必要ですが。
システム情報の株価は割安か
データ面、市場面の両方から今後の株価予想をしていきます。
PER(株価収益率)で見れば割安
上のグラフがシステム情報の過去のPERです。
一方で記事執筆時点のPERは14.4倍。
過去低かった時の数値が13倍、一般論では15倍以下が割安と言われているので、このPERを見る限り今は安い水準といえます。
決算が予想よりも良いか悪いかでも当然変わってはきますが。
PBR(株価純資産倍率)でみるとやや割高
上のグラフが過去のPBR。
今書いている段階だと4.44倍
過去買われていた時期が3倍前後だったことと、一般的には1倍が割安水準ということを考えるとやや高いと言えます。
ちなみにみんかぶでは目標株価が895円となっています。
今後の予想をしてみる
成長戦略
1.ストック収入の増加
顧客企業が増えるほどストック収入(固定収入)は増えます。
いわゆるシステムの維持費みたいなもので、コストをあまり掛けることなく安定的な収益となるんです。
強い企業は継続課金のスタイルを取っていますからね。
今も徐々に増えていますが、今後も重視していく方針のようなので期待したいところです。
2.社内システム効率化の流れは止まらない
Iot・ビックデータ・クラウド・AI・RPAなどに今後更に注力する姿勢を見せています。
今後は各業種の企業ともに会社のシステムをもっと効率化し、人に頼らないビジネス環境を作ることに重きを置くでしょう。
そのときに自社のシステム開発でなんとかなる会社は少ないので、システム情報みたいな会社に今後も依頼が来ることと思います。
3.実績が実績を呼ぶ
戦略というかこれはただの個人的な考えです。
システム情報は有名大手企業の実績があります。
しかも金融が多くセキュリティに配慮を要する会社ばかりです。
実績がある企業にはお客さんが集まります。
「◯社のシステムを作ったあの企業にうちも依頼しよう」ってなるからです。
そして依頼された方としてもどんどんノウハウが溜まっていくので、競合との技術力の差を付けることも可能になっていくでしょう。
株価予想
予想は当たらないことを前提に聞いてください(´>///<`)逃げ腰
答えからいうと長期では今より上がると思います。
会社が発表している業績予想では2020年も増収増益の予定ですが、今の政治経済の混乱状況をすべて反映できていない可能性も高いと考えるべきなのが現実。
ただし株価もそれを見越してか半分近く下がっています。
おそらく顧客もある程度減り下方修正もするでしょう。
依頼元の企業の経営陣としては、なるべくコストを抑えたいでしょうから余計な出費は避けたいと思うはず。
システム開発を発注する担当部署も予算を減らされるでしょう。
とはいえシステム情報が提供するシステムは会社が運営していくのに必須のものです。
少なくともすでに導入済みの会社は継続さざるを得ないでしょう。
さらにシステム情報はどちらかというと業務効率のための開発をしますので、人件費削減や無駄な業務削減に役立ちます。
だから他の広告業界とかに比べると売上・利益ともに下げはするも、ものすごく大きくは減らないだろうとくまお教授は予想しています。
ただ市場全体が売りムードのときはどんな企業も下がることが多いですから、当面のコロチャンがどうにかならない限り株価は安定しないでしょうけどね。
それをクリアさえすれば数年スパンの長期では上がっていくと思います。
さいごに
この記事ではシステムの株価や優待の分析をしてきました(*ˊᗜˋ*)
今回の内容を整理すると以下になります。
評価 | 概要 | |
営業利益 | ◎ | 右肩上がり |
利益率 | ◯ | 10%近い。業界の中では上位クラス |
ROE | ◎ | 30%程度と極めて高い |
EPS | ◎ | 右肩上がり |
フリーCF | ◯ | 問題なし |
株主優待 | △ | あまりないが3年保持なら多い |
配当金 | ◯ | 十分 |
PER | ◯ | 14倍と安い |
現状の株価だと617円の単元は100株からしか買えないので、最低購入金額は61,700円と少額で買えます。
100株単位で買えるぞって方は以下の証券会社がおすすめです。
とりあえず上記の2つにしておけばまず間違いありません。
詳しい理由は以下記事でも書いてます。
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